28日の日経記事からメモ。厚生労働省が医療費削減のためとして打ち出した新機軸だが、どう見てもトータルコストが余分に掛かるような気がしてならない。厚生労働省のお役人はちゃんと算数が出来るのだろうか。
抜粋:
いろいろ計算の仕方はあるだろうが、メタボ健診が生活習慣病の予防に効果があったとして、その結果国民が余分に長生きすることになれば、その分余分に医療費が増えるのは当たり前だろう。ライフスタイルは個人の自由。その結果早く死んでしまうのなら、それも自己責任だ。ブロイラーみたいに無理やり個体の「体重管理」をして、無理やり長生きさせて、医療費が増えるからといって増税したり、またぞろヘンな「健診」を義務付ける。これじゃイタチごっこ。
話は飛ぶが、昔の日立の冷蔵庫には頑丈なモーターが付いていた。冷蔵庫が錆びだらけになって使えなくなっても日立製のモーターだけはちゃんと動いている、これこそ日立だと技術者は自慢していたらしいが、これは設計思想がそもそも間違っている。他の部品に比べて長持ちしすぎるモーターは無駄以外の何ものでもない。人間の体も同じことで、年をとるとたいてい全部一緒にダメになるように神様は設計なさっている。それを人間が恐れ多くも胴体部分の内臓についてだけ取っ替えたり「予防健診」なぞをして無理やり「長持ち」させてしまうと、取っ替えの効かない脳細胞が相対的に一番早くダメになるのは自然の理。90歳以上の高齢者の半数に認知症の障害が見られるという。
メタボ健診は、ニッポンを認知症だが体だけはピンピンの後期高齢者だらけにしてしまうのではないか。膨大な社会コストが発生する。
- 全国民を対象に「特定健診・保健指導制度」(通称メタボ健診)が始まった。世界でどの国も試したことのない壮大な実験。
- コマツでは健診費用が二倍になった。江崎グリコでは社員食堂で「脱メタボランチ」が出される。寒天や麦が混じったご飯でお代わりは認められない。
- 企業がこぞってメタボに取り組むのは、受診率や改善状況に応じて後期高齢者医療制度への支援金が増減するから。つまりメタボ社員が増えると最大10%の加算を強いられる。2000人規模の健保組合では1000万円前後の負担増になる。社員の体型をめぐる「コストカット競争」が続く。
- 在宅ケアに力を注ぐ長野県のある村は高齢者一人あたりの医療費が全国平均の7割という優等生だが、在宅ケアの代わりになくした健診を復活させないと200万円のペナルティーを取られてしまう。
- 「基準値だけが一人歩きしてしまった」と松澤院長(メタボ基準の作成者)。
- 厚生労働省は医療のコスト増加を、企業や自治体の負担増で食い止めようとしている。
- 東海大学の大櫛陽一教授が実施した70万人の試算では、メタボ健診で二人に一人は病院通いを強いられ、逆に医療費は年間4−5兆円増えるという。
いろいろ計算の仕方はあるだろうが、メタボ健診が生活習慣病の予防に効果があったとして、その結果国民が余分に長生きすることになれば、その分余分に医療費が増えるのは当たり前だろう。ライフスタイルは個人の自由。その結果早く死んでしまうのなら、それも自己責任だ。ブロイラーみたいに無理やり個体の「体重管理」をして、無理やり長生きさせて、医療費が増えるからといって増税したり、またぞろヘンな「健診」を義務付ける。これじゃイタチごっこ。
話は飛ぶが、昔の日立の冷蔵庫には頑丈なモーターが付いていた。冷蔵庫が錆びだらけになって使えなくなっても日立製のモーターだけはちゃんと動いている、これこそ日立だと技術者は自慢していたらしいが、これは設計思想がそもそも間違っている。他の部品に比べて長持ちしすぎるモーターは無駄以外の何ものでもない。人間の体も同じことで、年をとるとたいてい全部一緒にダメになるように神様は設計なさっている。それを人間が恐れ多くも胴体部分の内臓についてだけ取っ替えたり「予防健診」なぞをして無理やり「長持ち」させてしまうと、取っ替えの効かない脳細胞が相対的に一番早くダメになるのは自然の理。90歳以上の高齢者の半数に認知症の障害が見られるという。
メタボ健診は、ニッポンを認知症だが体だけはピンピンの後期高齢者だらけにしてしまうのではないか。膨大な社会コストが発生する。